冬だけではなく夏でも悩まされる「冷え性」は、身近な習慣を変えれば改善できます。 なぜなら不規則な生活や体を締め付ける衣類、筋肉量の低下が冷え性の主な原因であり、それらに対処すれば改善できるからです。 また病院に行くほどではないと放置しておくと腰痛や頭痛、イライラを引き起こして日常生活に支障をきたしてしまいます。 そこで今回は家庭でできる冷え性の改善法を紹介し、原因や冷え性に効く食べ物も詳しく紹介します。 冷え性の治し方がわからなくて困っている方に役立つ内容です。ぜひ参考にしてみてください。

冷え性になる3つの原因

冷え性になる原因は「自律神経の乱れ」「血液循環の悪化」「筋肉量の低下」の3つです。 人間には体温調節機能があり、血液の量を増やしたり汗をかいたりして自分の体温を保っています。 しかし自律神経が乱れたり、タイトな洋服や下着を身に付けると血流が悪くなり体温調節機能が働きにくくなります。 また体が冷える原因として筋肉量が少ないことも関係しており、これらが冷え性になる3つの原因につながっています。 冷え性を改善するためにこれらのメカニズムについて知ると対策法が実践しやすくなります。 次に詳しく紹介するので見ていきましょう。

1．自律神経の乱れ

外的な要因で体温を調節している「自律神経」が乱れると冷え性になります。 実は人間の体温は血液の流れる量によってコントロールされており、その調整を行っているのが自律神経です。 寒い時は血流を少なくして体温を下げないようにしたり、熱い時は血管を広げて汗をかくことで熱を逃がしています。 しかしストレスや不規則な生活の影響で自律神経の働きが乱れてしまうと、血行不良が起きて「冷え」を感じるようになります。 自律神経の働きが乱れると血流が滞って冷え性になるのです。 参考：手足の冷え（冷え症）の原因

2．血液循環の悪化

血行不良が起こると体の末端まで血液が行きわたらなくなるため、末端冷え性になります。 自律神経が血流を少なくして体温を下げないようにしていることを説明しましたが、その時に血液が集まるのは体の中心部分です。 なぜなら生命の維持に重要な内蔵が集まっている体の中心に、血液を集めて冷やさないようにすることで命の危険から守ろうとするからです。 そのため末端である手足には血液が少なくなるので「冷え」を感じるようになります。 また物理的な原因として体を締め付けるような衣類も、血行不良を起こす原因のひとつです。 体温調整に血液の流れが重要だということを説明しましたが、タイトな洋服やストッキング、窮屈な靴は血流を悪くして体の冷えをもたらします。 冷え性を改善するために血行不良を改善することはとても重要なのです。 参考：冷え症外来

3．筋肉量の低下

3つ目の冷え性の原因は筋肉量の低下です。 実は人間の体の中で筋肉は一番熱を生み出している器官で、筋肉を動かすことで体温を上げたり、さらに熱を蓄える機能もあります。 筋肉量が少ない場合に体温は低くなる傾向があるため、男性より筋肉量が少ない女性に冷え性が多いのはこの点が関係しているとされています。 筋肉量の低下は運動不足や加齢によって進んでしまうため、生活習慣に問題がある場合は見直しが必要です。 参考：冷え性（手足の冷え）の改善方法をご紹介！万病のもとの原因とは？｜脂肪燃焼コラム

冷え性の症状

冷え性になると手足が冷える以外にもさまざまな症状が表れます。 現在抱えている不調の中に、冷え性を改善することで解消されるものがあるかもしれません。 快適な日常を過ごすために症状を理解することが重要です。 身体的不調と精神的不調の2つに分けて解説していくので、確認してみてください。

身体における症状

冷え性による主な身体的な症状を下記にまとめました。

1. 手足が冷たい、温めてもなかなか温まらない
2. あかぎれ・しびれ・しもやけ
3. 関節痛・腰痛・頭痛・肩こり

この他にも「肌荒れ」や「便秘」「肌のくすみ」など、特に女性にとって気になる症状があります。 冷え性を改善することで、これらの不調も改善できる可能性があります。

精神における症状

冷え性になると女性ホルモンの低下をおこして、精神的にも悪影響を及ぼします。 女性ホルモンが低下してホルモンバランスが崩れると「イライラ」したり「月経不順」を引き起こします。 冷え性と同時に月経不順があらわれた場合は、ホルモンバランスが崩れていることが多いです。 ホルモンバランスの崩れは冷え性や、不規則な生活でも起こります。 冷え性と同様に生活習慣が関係していることから、自律神経を整えることがホルモンバランスの問題の改善につながることがわかります。

冷え性の3つの改善案

冷え性の「原因」や「症状」の原因に自律神経の乱れや血行不良が大きく関わっていることがわかりました。 それらを踏まえてここからは具体的な3つの改善方法を紹介していきます。 普段の生活で出来る食事法や生活習慣の改善方法を中心に、他の病気によって起きている可能性についても解説します。 ひとつずつ見ていきましょう。

1．栄養をバランスよく摂る

冷え性に効果がある栄養素と多く含まれる食材についてまとめました。

血行を促進する栄養素が中心で、ビタミン類が重要であることがわかります。 ビタミンと合わせて良質なタンパク質を取ることで、筋肉量の低下を防いで熱を生み出すことも重要です。 特に大豆はビタミンB1やタンパク質、パントテン酸を含むため、冷え性の改善に有効な食材です。 上記とは逆に、白砂糖を多く含む甘いものや高脂肪のもの、アルコール類の摂り過ぎは体を冷やすため避けましょう。 参考：テーマ：「冷え」

2．適度な運動をする

筋肉量を上げるために適度な運動を行うことも重要です。 人間の体の中で最も熱を生み出す器官である筋肉を付けるには、適切な食事を取り運動が必要です。 具体的な方法は以下です。 ・30分程度のウォーキング ・スクワット ・ヨガ、ピラティス 中でもスクワットは3つの関節が同時に動く「多関節種目」という種類のエクササイズで、一度に複数の筋肉が動いてくれるため効率がいい運動です。 体全体が鍛えられるヨガやピラティスもあたたかい室内でできるため、冷え性に困る方におすすめです。 運動は筋肉へのアプローチだけではなく、自律神経を整えてくれるため積極的に取り入れましょう。 参考：冷え性（手足の冷え）の改善方法をご紹介！万病のもとの原因とは？｜脂肪燃焼コラム

3．医者に相談する

冷え性は自律神経の乱れや血行不良が原因ですが、隠れた疾患の可能性があるため病院に行くことも重要です。 冷え性に関わる主な疾患は以下です。 ・膠原病（こうげんびょう） ・甲状腺機能低下症 ・ASO（閉塞性動脈硬化症） 中でも女性に多いのが膠原病で、全身の血管や皮膚、筋肉、関節などに炎症が見られる病気です。 主な症状は原因不明の発熱や湿疹、関節の痛みなどがみられます。 生活習慣を見直しても冷え性の改善がみられない場合や、上記の症状がある場合は早めに受診しましょう。 参考：手足の冷え（冷え症）の原因

冷え性の改善に効果的な3つの食べ物をご紹介！

冷え性の改善に効果的な「ヒハツ」「ショウガ」「ナツメ」の3つについて紹介します。 それぞれの概要や効能について解説していくので、興味ある方は参考にしてみてください。

1．ヒハツ

「ヒハツ」とはコショウ科の植物で別名「ロングペッパー」と呼ばれる香辛料でおなじみのコショウの一種です。 インドが原産の植物で中国では体を温める目的で生薬として使われており、その影響から日本でも冷え性に効果があるとして人気が高まっている食材です。 ヒハツに含まれる辛味成分が血管を拡張し、血行を促進してくれる効果があります。 味はコショウに似ていますがシナモンのような甘い香りがあるのが特徴で、スパイスとしてカレーやチャイに加えて楽しめます。

2．ショウガ

体をあたためる食材として有名な「ショウガ」も冷え性に効果的な食材です。 冷え性に効く成分としてショウガを加熱した時に生成される「ショウガオール」があります。 ショウガオールは血流を高め身体の熱を作り出す働きがあり、冷え症の改善に役立ちます。 加熱したショウガを粉末にした製品も販売されているため、手軽に取り入れたい方におすすめです。

3．ナツメ

最後に紹介する冷え性に効果的な食材は「ナツメ」です。 ナツメの木からとれた赤い実を乾燥させ、主に生薬として使われています。 代表的な料理で韓国料理の「サムゲタン」に使用されたり薬膳料理に使用されることが多い食材です。 ナツメの効能は精神を安定する作用があるとされており、冷え性の原因である自律神経の乱れを整える効果があります。 日本では乾燥したナツメを甘く煮て甘露煮にするのが、一般的な食べ方です。

まとめ

多くの人が悩まされる冷え性について、原因や対象法を紹介してきました。 冷え性に悩む人の多くは病院に行くほどではないと考え、厚手の靴下や腹巻で温めるなど対症療法的なことを行う方が多いです。 しかし調べてみると不規則な生活や運動不足が、自律神経を狂わせ血流を悪くして体温を下げてしまっていることがわかりました。 原因がわかると根本的な改善にも取り組みやすくなります。 紹介した中でも適度な運動は自律神経を整え、筋肉を増やすことで体を温めることができるので非常に効果的です。 冷え性に悩んでいる方はこの記事を参考に、快適な生活を目指してみてはいかがでしょうか。

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